黄泉のツガイ(荒川弘)30話・31話・32話のあらすじ・感想!ネタバレ注意

『鋼の錬金術師』や『銀の匙』の作者である荒川弘さんの最新作である『黄泉のツガイ』。
どんどん更新していきます。長くなると分割していきます。

最新話は、最新話のネタバレ・考察
33話~35話は、33話・34話・35話 感想!ネタバレ注意
28話と29話は、28話と29話のあらすじ・感想!ネタバレ注意
をご覧ください。

第32話「墓掘りと掃除屋」 黄泉のツガイ(荒川弘)ネタバレ・考察

『時を待つ 私の仕事は 後始末』 (月刊少年ガンガン2024年8月号)
扉絵はハナちゃん。

黄泉のツガイ32話は、ユルの少年の時の夢から始まる。

ユルとアサが最初に人を殺めた時のそれぞれの夢。二人とも自分を殺しにきた相手を殺害している。
その時、ユルは今まで助けてくれた父親がおらず、一人。後始末は自分でしないといけない。一方、アサはジンが対応してくれた。ジンは影森家の掃除屋(スカンベンジャー)である。
ユルはひとりで肩をつけないといけなくて、アサは他人を巻き込む状況を受け入れなくてはいけない。状況はそれぞれ違うけれども、二人とも自分の運命と向き合う瞬間だ。ツライ。

しかし、目が覚めた二人には心配してくれる人たちがいる。ユルにもいる。
ユルはデラさんとハナちゃんに、アサはガブちゃんに、嫌な夢を見たことを告げる。するとそれぞれ、
ハナちゃん「おいしいもの食べて忘れな」
デラさん「メシ食おうぜ 皆で」
ガブちゃん「そっか ごはん食べて忘れな」
ここ、この回で一番好きなシーン。とにかく食べることが基本!一貫して書かれている気がする。

あっ!もうひとつ好きなシーンあったわ。
デラさんの競馬のシーン。以前もユルの社会見学の時にあったんだけど。
競馬場の雰囲気から競馬中の状況、そして競馬が終了した時の表現が全て、「わー」で表現されているの好き。
色々な「わー」があって、それだけで表現されているのがなんとも言えない。言葉では表現できない、漫画ならではです。

ユルの熱も引いて和んでいる中、東村関係の集合がかかりるのだけど、その集会が西ノ村の策略で爆発に合います。

ここで、爆破された東村の人達の後始末をするために、西ノ村の掃除屋である峯岸が登場し、ハナちゃんと対峙するところで、次回に続くである。
ハナちゃん生きていてよかたぁ。

第31話「東村と西ノ村」 黄泉のツガイ(荒川弘)ネタバレ・考察

(月刊少年ガンガン2024年7月号)
『黄泉のツガイ』第31話は、イワンとの戦いでの怪我と環境が変わって発熱したユルを家に連れて帰ったところから始まる。

寝込んで迷惑をかけたことを詫びるユルであるが、困ったときはお互い様だというケン。「ツガイも人も一人では生きていけない」と黒服のツガイも言っていたでしょ」とも。

本当に、そう思う。人に迷惑をかけたく無い。できるだけ人に関わらず生きていきたいと思っていた時もあった(若かった)が、歳をとるにつれ色々な人に助けられ支えられて生きていると心底、思い知らされているわぁ。。。

ユルを寝させた後、東村の子供のアザミにザシキワラシ、犬を主とする宇宙人っぽいツガイと大勢を引き連れて帰宅したデラさんを問い詰めるハナちゃん。そこにオシラサマ達までやってきて、虎鉄と二狼も加わって、段野家はツガイの集会所みたくなってしまいました。左右様はユルの付き添い。

賑やかだけど、ツガイ達は普通の人間には見えないんだよね。
じゃあ、実体はどうなんだろうか?
見える人には触れることのできる実体ありだけれど、見えない人には素通りで何もないない、あるいは気配だけなんだろうか?

そういえば1巻で、左右様が空中を早駆けしている時、見えない人には暴風が起きたと感じるシーンがあったから、気配のみでなくて何か当たる感じがするのだろうか?
気になり出したら眠れない。。。。。

そして、弱っている時は、狭くて暗いところが落ち着くと、布団から押し入れに移動したユルに、何かたべれるのかと尋ね、塩おむすびを作って食べさすハナちゃん優しい。
食欲あるなら一安心って、これも良くわかる。食べる=生きる、ことだもんね。食べるのも体力いるし。

そういや、さりげなくハナちゃんの部屋が、筋トレグッズとジェイソン・ステ◯サムのポスターだらけってのうけた。対して、デラさんの部屋はぶきだらけってのも、らしすぎる。
しかしあれだけ武器、どうやって入手するんだろうか。

一方、影森家はアキオの裏切りと亡くなった人への対応で揉めていた。
影森家のほとんどが、アキオを始末することに同意していたが、ヒカル先生だけ生かす道を探らないのかと父である影森家当主のゴンゾウを非難する。
また、アキオに殺された庭師の井川を、「変死」だと警察の介入が避けられないため、自然に「失踪」したことにするとゴンゾウは言い、ヒカルはこれも非難する。
このやりとりを見たガブちゃんが、

先生ちゃんのマンガ好きだよ。悪い奴が出てこないから。
現実がクソみたいだからさぁ
先生ちゃんのマンガ読んでると安心するんだ
「ああこの世界の人たちは あたしを排除しないだろうな」って

と言い、自分達の居場所を壊す奴がいたらたとえ親でもぶっ殺す、と宣言する。
ガブちゃん、痛みに強く戸籍もない、どんな生い立ちなんだろう。どれほど虐げられてきたんだろう。ここ読むと、ちょっとツライ。

そのやり取りの中、アサが、事態が起きたのは自分のせいだと思い、謝ってその場を立ち去るが、ジンを筆頭に(特にガブやんが)アサを一人にさせないように配慮するあたり、物騒な事を言って(実際やって)いても、人としての思いやりがないわけじゃない。
ちゃんと理解していて、安心する。

荒川弘さんの漫画に出てくるキャラクターって、ぶっ飛んでいるんだけど、どこか人間味や優しさがあって、好きだ。切なく思うこともあるが、ほっとする。
ま、ぶっ飛び方は半端じゃないけどね。

最後に、滅びてダムに沈んだ西ノ村の石標が、干上がったダム湖から出て不穏な雰囲気で物語は次回に続く。

第30話「情と理(なさけとことわり)」 黄泉のツガイ(荒川弘)ネタバレ・考察

(月刊少年ガンガン2024年6月号)
『黄泉のツガイ』第30話は、ヤマノカミの本尊が爆発した後から始まる。

結界により逃げきれなかったヤマノカミを回収しにきて、爆発に巻き込まれたうさちゃんは、同じく回収に来たエッサホイサを庇って足を負傷しながらも、破壊された山風を見て「壊れちゃった、山風」というセリフと切ない表情。
爆発が山風の意思ではないことがわかる。

実際に爆発したのは山風だけで、谷風は爆発せずに粘菌みたいなのに操られて移動をしていた。
移動先はアキオのいる医務室で、たどり着くと谷風も爆発。
またまたうさちゃんが、谷風の爆発から皆を体を張って守ろうとする。うさちゃん無事でした。よかったぁ。
うさちゃん、右さんと戦っていた時の煽り方とか、嫌味ったらしいなと感じたけど、どんどん仲間思いとわかり可愛く思えてきているのだ。

うさちゃんはツガイが主を守る習性を利用したと言っているが、もしかしたらアキオを殺しにきたのかもと考えるナツキ。いい感してる、ナツキ姉さん。ファンです。

一方、派手にやり合った倉庫のユル達。
戦いは終わったにも関わらず、アンダーグラウンドでゴンゾウとデラが攻防戦をしている時に、アキオの逃走の連絡が入り、落胆するユルとアサ。
緊張が最高潮に達し、身体が限界を超えたユルは発熱し倒れたため、それぞれ帰る事とした。

もちろんアキオも。
迎えにきたのは母親。無事を喜んでいるのだが、アキオに見えないところの表情は不穏である。
また、アキオを「回収」という輩が登場する。しかも、仕留め損ねた、とか、使い道があるとか、不穏すぎるだろ。

新しい勢力は、なんか不気味さを漂わせている。
アキオの「自分の痛みも他人の痛みもわからない」という言葉が思い出される。
この集団は他人の痛みがわからない人達なのではなかろうか。
自分や他人の痛みがわからないって、とてつもなく怖い。

西の方の勢力を思わせるうさちゃんのセリフからの「次は西が勝つ」と言う謎の男のセリフで次回に続く。

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