黄泉のツガイ7巻のネタバレ・感想

荒川弘さんが現在、月間少年ガンガンで連載中の漫画「黄泉のツガイ」の7巻。
ファンタジー?異能力者?ストーリーにありがちな始まりだったのに、ぶっ飛んだ登場人物が増え、どんどん話が展開していき、もうどうなるんだろうとしか思えない状況。
新巻が待ち遠しく、まだかまだかと期待していました。

黄泉のツガイ7巻最新刊!!出ました!

「ただ普通に皆で笑って暮らしたいだけ」と新郷の元にさらわれたユルは自らの望みを語った。
倉庫街では左右様とイワン、影森ゴンゾウ一行と新郷一派、影森屋敷では裏切者のアキオとガブちゃん達が激闘!
ユルは新郷のツガイ”風神雷神”に制圧されるも、デラやアスマのツガイ”夜桜”の助けで脱出に成功。
一方、囚われの偽アサの元にはアサが救出に現れ…!?
身を尽くす、ただ心の為に。真贋真偽ツガイバトル、第7巻!!ただ普通に皆で笑って暮らしたいだけ」と新郷の元にさらわれたユルは自らの望みを語った。
倉庫街では左右様とイワン、影森ゴンゾウ一行と新郷一派、影森屋敷では裏切者のアキオとガブちゃん達が激闘!
ユルは新郷のツガイ”風神雷神”に制圧されるも、デラやアスマのツガイ”夜桜”の助けで脱出に成功。
一方、囚われの偽アサの元にはアサが救出に現れ…!?
身を尽くす、ただ心の為に。真贋真偽ツガイバトル、第7巻!!

という煽りで、7巻が2024年5月11日に発売になりましたよ。
7巻のネタバレ・感想を書く前に、これまでのお話をざざざっと紹介。

黄泉のツガイ1~3巻までのネタバレ・感想

山奥の小さな村落に住む少年のユルは、畑を耕し、野鳥を狩り、質素な村人たちと大自然の中で静かに暮らしていた。
両親は10年前に村から出て行き、双子の妹のアサと村で過ごしているが、アサは何故か村の奥にある牢の中で幽閉され「おつとめ」を果たしている。

ある日、村が襲撃され、村の大人たちが殺された。村を襲った集団の中の一人の少女が、ユルに自分こそが本物のアサで、ユルを迎えにきたと告げる。

にわかに信じられないユルは、村に出入りする行商人デラと共に、村の守り神である左右様を自分のツガイとして、村を脱出し下界である現代日本に行った。

デラは下界で暮らす東村の番小物で、後輩である相方のハナちゃんと(偽装)結婚し、ユルを匿うことになる。そして、ユルは真相を知るためにアサを探しに行く。

自称本物のアサは、本当に本物のアサだった。

アサは東村を襲った影森家に匿われていた。
そして、狙われる理由、両親が10年前にアサを連れて村を出た理由を聞かされる。

明け方に生まれた双子のユルとアサは、国を揺るがす強大な力「封」「解」を行使できる可能性のある双子であり、力は一度死んで蘇ることで手にすることができる。
そのため、力を手に入れようとする者たちが、ユルとアサの命を狙っているのであった。

東村の人間も例外ではなく、10年前にユルは東村の一派に殺されそうになったため、ユルとアサの両親はアサを連れて東村から逃げたのだ。
ユルはヤマハおばかに邪魔され連れて行くことができなかった。

逃げた両親とアサは、影森家に保護されていたが行方不明となり、しばらくしてアサは「解」の力を手に入れた。

話を聞き、ユルは影森家ではなくデラたちと自ら両親を探すことを決意する。

1~3巻はこのような感じだった。ファンタジーものの割とパターン的な始まりだなぁって思って、ストーリーは偽アサグループ対本アサグループで、ユルは迷いながらも本アサグループと共に戦うんだろうと予想していた。どのようなバトル展開になるかを期待していたのよね。

黄泉のツガイ4~6巻までのネタバレ・感想

デラはユルを影森家まで迎えに行っていた。
帰宅の途につく二人だが、何者かに尾行されており、正体を探ろうと田寺家のツガイである「マヨイガ」に誘い込む。
そこで、尾行者以外にデラの異母弟ケンの登場となり、ケンの口から物語のキーマンとなりそうな田寺ロウエイの名が挙がる。

ロウエイは田寺家先代でデラさんのお父さん。

尾行者はアスマの手先。笑顔が胡散臭いアスマは影森家を裏切って、ユルを手に入れるために伯父の新郷と組んでるのだろうか?

新郷さんはいかにもって感じの悪そうな人。悪い、だね。
ツガイ使いの殺し屋を雇い、東村を襲撃させ、偽アサと村の子供を人質にユルをおびき出そうとしていた。

ここでツガイ使いの殺し屋、夜道のチカン、もとい与謝野イワンの登場!!イワン様!
夜道のチカンと言われると、誰だ流行らせているのはと返すイワン様。テンポ良いやり取りが面白い。

イワンが残忍にも次々村人を殺していくのに、偽アサのおかげでヤマハおばぁはしぶとく生き残ります。

場面変わって、影森家もアサを連れ去るために襲撃されていました。アキオという内部の裏切り者によって。

舞台は、倉庫街、事務所、影森邸と移り、バトルが繰り広げられます。

4~6巻は、影森家の内部分裂ということで予想範囲内で読んでたのよね。

アスマが新郷とつながってなくてよかった。じゃあアキオと新郷がつながっているのか?くらいの予想をして。

黄泉のツガイ7巻は25話から28話

黄泉のツガイ7巻は、月刊少年ガンガン2024年1月号の25話から4月号の28話までが掲載されています。

荒川作品に出てくる人物って、妙に人間臭いのだけど、どこか飄々・淡々としているのよね。
生と死に対する捉え方も。決して軽いわけではなくて、達観しているというか。
大地のような厳しさと広さ、包容力を感じるのです。

25話 刀と弓
偽アサと村の子供を助け出したアサ達は、圧倒的な力で新郷一派をねじ伏せていく。遅れて到着したユルはアサとダンジとの再会もそこそこに左右様のところへと向かう。左右様とイワンの激闘にユルも参戦。イワンはユルの両親の首を刎ねたと告げユルを動揺させる。

26話 逃亡者と追跡者
ユルの両親を殺したと挑発するイワン。ユルは動揺するが、アサの言葉を思い出し冷静になる。劣勢と判断したイワンは隙を見て棟増する。
一方、新郷に反旗を翻したアスマのところに、イワンが現れ、口封じのために新郷を切り捨てる。

27話 殺し屋と始末屋
イワンとアスマの戦闘が始まったが、ユル達との戦いで大きなダメージを受けていたイワンはまたまた逃走。倉庫の死体を片付ける少女・峰山と通じるイワン。
一方、アサと合流したユルは陰陽の空間の中で、偽アサと再会する。

28話 ザシキワラシと東村
陰陽の空間の中でユル、アサ、ザシキワラシの二人。偽アサの心からの謝罪。そして本当の名前とザシキワラシの過去が明かされる。話を聞き、本心をアサに告げるユル。そのうえで両親を探すことを誓う二人。

単行本の良さは、大きく流れが掴めるところ。さてさてどうなっていくのか。

兄様には嘘をつかないで

偽アサと人質の子供を助け出したアサは、仕事(戦い)が終わったら、全てを包み隠さずユルに説明するように偽アサに言う。
「お願いだから、兄様には 嘘をつかないで」
だまされ偽りの中で過ごしたアサの切なる願い。

アサの「解」、ゴンゾウの「百鬼夜行」の圧倒的な力で新郷一派をねじ伏せていった。

ユルをずっとだましていた偽アサの相棒であるダンジ。ダンジを助けるためにユルは人質のいる事務所に向かう。
ダンジと合流するも、アサたちの働きで人質奪還は済んでおり、無事を確認してユル達は左右様のいる倉庫へと向かう。

この場面の会話のやり取りが好き。

兄様を発見した後の第一声が「兄様元気!?新出ない!?」
アサちゃんが言うとシャレにならんがな。一度死んでるだけに。

返しのユルの「生きるのに忙しくて死んでるヒマねーね!」
真理です。このぐらい図太く生きていきたい。

アサちゃん朽津瀬の「ほめて!ぎゅってして!」に対しても
「右さんにぎゅってしてもらえ」の返し。右さんにされたら死にますがな。あの肉厚。

本来深刻な場面でこうも明るくカラッとした会話をさせるのがすごい。荒川ワールド。
格闘シーンもそうだけど、言葉のやり取りが軽快で吹っ切れている。すきだ~~。こういうの。

人質の件は解決したので、お次はユルの両親のことを知っているイワンの元へ。
イワンと左右様はまだ戦っています。

与謝野イワン強い!!

夜道のチカン、もとい、与謝野イワン、強い!!
左右様と対等に戦っているし、左様の右腕切り落とすわ、右様の足切り落とすわ。強すぎ。

ユルとデラが左右様に合流してもタイを張るイワン。ほんと強いな。
とはいうものの、さすがに不利な状況に撤退するイワン。引き際に左さんの精気を奪っていきます。

イワンのツガイは「大凶」「小凶」という凶悪な刀のツガイ。
「小凶」はよくしゃべるり、実益優先、斬ることが生きがい。
なので無茶振りをよくします。刀だけあって、振ったら血を見ることがしばしば。。。
「大凶」は寡黙。話すとイワンもびっくり。
そんなツガイの能力、精気移転。左さん動けません。やばい。

逃亡したイワンは口封じのために新郷とそのツガイの「風神」「雷神」を殺し、アスマも殺そうとします。
アスマも意外と強そうだけど、今回は相手が悪かった。イワン相手ではだめだ、勝てないよ。
しかし、ユルから受けた怪我と移転した左さんの精気が強く、耐えられなくなったイワンは戦闘力が落ち、そこにアサ達が到着します。
勝てないと思ったイワンはさらに逃げます。
イワン、引き際もいいんだよな。やっぱり強いわ。

ツガイとツガイ使い

新たなツガイ使いの登場です。
なんと女子高生!
やはり言動はぶっ飛んでいます。
ツガイはフンコロガシみたいなやつで、イワンが殺した遺体処理をする始末屋です。
イワン様と呼ぶ当たり、クセが強そう。
しかも意味深な言葉を放っています。
「肉団子になったイワン様を『西ノ村』に持ち帰るとか かんべんですよ」

出ました「西ノ村」。東村があるから、西ノ村があってもいいんだけど。
なんかこちらも凶悪そうです。
いや~、登場人物、ツガイ諸々覚えておくのが大変。

また、戦闘が落ち着いたユル達は、アサのツガイである「陰陽」ちゃんの中で、偽アサことキリその相方のダンジと話します。
キリとダンジは、東村のキョウカさんのツガイで「ザシキワラシ」です。
キョウカさんはヤマハおばぁに命じられて仕方なくキリに偽アサを演じさせ、おばぁに内緒でダンジにユルを守る役割を言いつけます。

どんな理由であれユルをだましていた事には変わらないのですが、ユルは生きる力を与えてくれたとザシキワラシを許します。
こういうユルの生きることに対してのシンプルな考え方って好きだ。ユル、蛮族だけど。

普通の生活がしたい

ザシキワラシたちを陰陽ちゃんの中から出し、二人きりになったユルとアサ。
ユルはアサに将来の夢について尋ねます。

アサは
「ディズニーランド行ってみたい!」
「そういうとこに皆で遊びに行ってさ
普通に学校行って勉強でひーひー言ったりさ
かっこいい彼氏ほしー!とか騒いだりさ
通勤電車に揺られながら仕事のグチ言ったりさ」
「そういう 普通の 暮らしがしたい」

アサの望みは普通の生活。
殺し殺されの世界にいるから無理だよねー。」
叶わぬ願いと思い、望む夢。せつない。

対してユルは、
「だったらこれから皆で積み上げていこうぜ
十年先も その先も」
「敵全部蹴散らして
父様母様見つけ出して
皆で笑って堂々と生きていくんだ」
と答えます。

兄妹として確認しあえたふたりですが、ユルはアサにイワンが両親を殺したと言われたことを伝えます。
動揺し、己を責めるアサ。しかし、ユルは言います。

「この世は 信用できない者 ばかりだ!!
自分の目で 見るまで 信じるな!!」

さらに、
「誰かに 捕まってるなら 俺たちの手で 助け出す
そして四人で 皆で
普通に笑って 普通に 暮らすんだ」
と。

人を疑うばかりでは生きていけません。決してそういうことを言っているのではないと受け取れます。
信用できるものできないものを自分の目で確かめて、行動する。自分の手で望むものを得る。
切なさと生きる力強さを感じます。

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